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Annecy Classics: 100 Years of Japanese Animation 上映報告

掲載日:2017/09/21

株式会社アーイメージ 代表取締役 植野 淳子

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 2017年6月12日から17日まで、フランス・アヌシー国際アニメーション映画祭&マーケット(Annecy International Animated Film Festival and Market [MIFA])が開催されました。
 アヌシーは世界で最も古く、最大規模のアニメーション映画祭として知られています。世界のアニメーション業界に対する影響力も絶大です。
 2017年は長編部門グランプリ(クリスタル賞)に湯浅政明監督『夜明け告げるルーのうた』、同審査員賞に片渕須直監督『この世界の片隅に』、学生部門審査員賞に冠木佐和子監督『夏のゲロは冬の肴』と日本の受賞が相次ぎ、国内・外で大きな話題になりました。さらにコンペティション以外でも、企画マーケットで東京都による日本のアニメ企画の紹介「TOKYO PICH」が実施され、新作映画の披露では『GODZILLA 怪獣惑星』や『劇場版マジンガーZ』、『BLAME!』などが発表されました。
 さらに2017年の「日本のアニメーション100周年」というタイミングで、一般社団法人日本動画協会が推進する『アニメNEXT100』プロジェクトが、アヌシー国際アニメーション映画祭、東京国立近代美術館フィルムセンターと、3者共催での上映プログラムを実現しました。

■日本のアニメーション100周年記念トレーラー『アニメNEXT100』
 まずは、日本のアニメーション100年の歴史を代表するアニメ135作品でつづられた、アニメ業界奇跡の『アニメNEXT100・トレーラー』のプレゼンテーション。作品毎に、感嘆、歓声が上がりました。そして、主催者による舞台挨拶が行われ拍手が鳴りやむと同時に、以下の作品上映が開始されました。

■上映プログラム1.
Annecy Classics: 100 Years of Japanese Animation
 フィルムセンター所蔵の中から1920年代から40年代の6作品を一挙公開。満席のシアターで上映がはじまりました。サイレント作品では物音ひとつしません。来場者が怖いくらい集中している様子が伝わってきます。『漫画 瘤取り:The Lump』の上映中に携帯が2度なりました。暗闇の中、非常にシビアな視線とため息がその人一点に集中。更に、シーンとした次の瞬間、会場は爆笑の渦。どの作品にもそうした来場者が一体となって醸し出すムードは驚きの連続でした。作品について画力・ユーモア・テンポ・構成などあらゆる場面でうなずいたり、感嘆したり、吹き出したりと、来場者の方々の反応とマナーは素晴らしいものでした。

「100 Years of Japanese Animation」上映作品
『漫画 瘤取り:The Lump』(村田安司) 1929年/サイレント
『春の唄:Spring Song』(大藤信郎)  1931年/サイレント
『ポン助の春:Spring Comes Ponsuke』(大石郁雄)  1934年/トーキー
『PROPAGATE(開花)』(荻野茂二)1935年/サイレント
『マングワ 新猿蟹合戰:Monkey and Crabs』(政岡憲三) 1939年/サイレント
『アリチャン:Arichan the Ant』(瀬尾光世) 1941年/トーキー

■上映プログラム2.『AKIRA』(大友克洋)1988年

■上映プログラム3.『宇宙戦艦ヤマト 復活篇』(西崎義展)2009年