馬具田城の盗賊

映画題名 馬具田城の盗賊
映画題名ヨミ バグダジョウノトウゾク
英語題名 Burglars of "Baghdad" Castle
製作年月日 1926年
作家名 大藤信郎
時間(分) 14
サウンド サイレント
カラーの種類 白黒
ストーリー 吾妻の国の都、馬具田の城下に、怠け者で他人の財布などを盗っている団子兵衛という若者がいる。ある日、団子兵衛は城主の美しい姫君が落とした御守を拾う。怪龍城の宝物を手にした男が、姫の婿になれると知って、団子兵衛は御守を手に怪龍城に向かう。まず、雪の国に入った団子兵衛は、雪の精をいじめる怪馬人を傘の先で倒す。雪の精はそのお礼に、「傘に積もった雪を粗末にしないように」と言う。魔ヶ淵に辿り着いた花婿志願の男は、現われた龍に喰われてしまう。団子兵衛が雪の積った傘を龍に投げつけると、それを食べた龍は消えてしまう。そこへ雪の精が現われ、団子兵衛を水底の怪龍城へ案内する。願いのかなう宝珠を手に入れた団子兵衛は、天馬に乗って馬具田城に帰る。城下に戻り、敵軍が攻めて来たことを知ると、団子兵衛は姫を助けるため、宝珠を使って味方の兵隊を出す。味方の大軍の大将となった団子兵衛は、見事お城の危難を救い、お婿様になる。城下では、昼はお神輿、夜は花火と祝宴が続く。
作品解説 大藤信郎の正式なデビュー作で、千代紙を使ったアニメーションの最初の作品。千代紙映画のメイン・キャラクターとなる「団子兵衛」(読み方は「だんごべえ」だが「だんごのひょうえ」と呼ばれる場合もある)も初登場、弱い者が困難に打ち克ち成長するというテーマも、のちの千代紙映画に一貫している。アメリカ映画『バグダッドの盗賊』(1924年)にヒントを得た題名の付け方も面白い。オリジナルは35mmで全3巻622m30分(18fps)。現存版は十字屋小型映画部発売による16mm短縮版(マーヴェルグラフ版)。
製作会社 自由映画研究所*
配給会社 中央映画社*
配給年月日 1926年7月15日
クレジット 監督 大藤信郎*
クレジット スタッフ、キャスト等
字幕採録 T1「MARVEL GRAPH マーヴェル グラフ」、T2「馬具田城の盗賊」、T3「今は昔 吾妻の国に 馬具田と云ふ 都がありました」、T4「馬具田城」、T5「これは都一の怠者 團子兵衛と申すものでござる」、T6「やつ これは これは」、T7「花日傘 顔みる までの 美しさ」、T8「や これは これは」、T9「やっ これは これは」、T10「しめたぞ」、T11「美人の 譽れ高い 城主の姫君」、T12「お婿様に なるために 怪龍城へ 寶物をとりに ゆくのさ」、T13「凡て幸福は 汝自らの努力に よつて得べきものなり」、T14「怪龍城へ」、T15「雪の國」、T16「たすけて・・・・」、T17「雪の精」、T18「いつでも 雪の精を いぢめる怪馬人」、T19「こわや こわや 危きに 近よらず」、T20「あれ・・…」、T21「傘につもる雪を 決して 粗末に なさいますな」、T22「我がものと おもえば かろき傘の ゆきと…」、T23「あんまり かろくも ないぞ」、T24「魔ヶ淵」、T25「お助け下れた お礼に 怪龍城え ご案内申しませう」、T26「怪龍城」、T27「思ふこと たちどころに叶ふ 稀代の寶珠」、T28「馬」、T29「どう したんだ」、T30「敵軍殺到!!」、T31「お城が とられた んだよ」、T32「敵!來たる」、T33「お城の危難を 救つた 團子兵衛は 三国一のお婿様 となりました」、T34「めでたや めでたや よろこべ よろこべ」、T35「幸福は自らの努力に よつて得るものなり」、T36「終」。
検閲番号等 [参考]内務省検閲番号:A78(1926年4月2日)。
参考文献 ・木村千疋男「主要日本映画批評 馬具田城の盗賊」『キネマ旬報』1926年8月1日・第235号、52頁。
フィルム映写速度 18fps
フィルム履歴 個人寄贈16mmポジ
フィルム完全度 完全(但しクレジット情報欠落)
備考 作品情報等の*印は文献等による補足
参考リンク