こがねの花

映画題名 こがねの花
映画題名ヨミ コガネノハナ
英語題名 The Golden Flower
製作年月日 1929年
作家名 大藤信郎
時間(分) 17
サウンド サイレント
カラーの種類 白黒
ストーリー 朝になり、村は祭りの真っ最中。そこへ多能久(たのきゅう)の里より招かれた神楽師の団子兵衛(だんごべえ)が登場し、おかめやひょっとこの面で村人を楽します。やがて祭礼も終り、団子兵衛は祝儀を貰い、帰路につく。夜道を辿る団子兵衛は道を間違え、くらがり峠に迷い込む。里では母親が、団子兵衛の帰りを心配する。すると、恐がる団子兵衛の前に大蛇が現われる。とっさに神楽の面を付けた団子兵衛は、大蛇に名前を聞かれ、「多能久生まれの団子兵衛」と命乞いをするが、「タヌキ」と聞き違われ、化けて見ろと言われる。団子兵衛は次々と神楽の面を被り、大蛇は団子兵衛を許してやる。ほっとした団子兵衛は煙草で一服しようとすると、大蛇は煙草のヤニが大嫌いと言う。大蛇に嫌いなものを問われた団子兵衛は、親子兄弟の不仲のもととなる「金」が恐いと言う。一目散に里に戻った団子兵衛は、大蛇との顛末を人々に伝えると、里人はキセルを持って大蛇退治に向かう。ヤニ攻めで成仏した大蛇は、怒って団子兵衛にたくさんの小判を投げつける。
作品解説 「金が仇の世の中」で、大蛇に嫌いなものは金だと教え、孝行息子が長者になるという落語の「田能久」をもとにした千代紙映画。作品の評価も高く、1931年に文部省から最初の優良映画賞が与えられた。大藤信郎旧蔵資料の中には、この時の賞状と賞牌が保存されている。
製作会社 千代紙映画社*
配給会社 東京シネマ商会*
配給年月日
クレジット 監督 大藤信郎*
クレジット スタッフ、キャスト等
字幕採録 T1「こがねの花」、T2「この村の祭禮に 多能久の里より 招ねかれて 参つたる 神樂師 團子兵衛」、T3「やがて祭禮も終り」、T4「どうも 御苦労様でござりました これは我我の寸志 お受け下され」、T5「さやうなれば これにてお暇致します」、T6「左様なら 気を付けて行きなされよ」、T7「何處で道を違へたか 行けども行けども 山また山…・・」、T8「ここは噂に聞く くらがり峠ぢや」、T9「團子兵衛の歸りを 淋しく待つ 母親おくし」、T10「くらがり峠が 何の恐ろしいものか」、T11「ときは・・ 草木も眠る丑滿時…・」、T12「足音が こだまに響いて……」、T13「くはばら くはばら」、T14「南無地藏尊 助け給へ救ひ給へ」、T15「いやぢや いやぢや」、T16「助けてくれ~」、T17「神さま」、T18「佛さま」、T19「こりや やい!」、T20「一体貴様は何者ぢや」、T21「私めは多能久[タノウキウ]生れの 團子兵衛と申しまする者 命ばかりは お許し 下さりませ」、T22「なに! 多能久ぢやと」、T23「なに! タヌキぢやと」、T24「狸なら化けて見せろ」、T25「左様なれば 化けてご覧に入れまする」、T26「これにて ご勘辨下さりませ」、T27「見事な化け方ぢや 命は許してつかはす」、T28「やれやれ これで一安心致しました」、T29「時に煙草を一服 いかがで御座りまするな」、T30「やめてくれ やめてくれ」、T31「身共は世の中に 煙草のヤニほど恐ろしい ものはないのぢや 貴様は何が恐ろしいな」、T32「金でござります」、T33「金のためには…・・」、T34「親も」、T35「子も」、T36「兄も」、T37「弟も」、T38「仇となることが ござります それ故 金が…・」、T39「恐ろしうござります」、T40「大變だ!」、T41「大變だ!」、T42「大變でござります 誰か來て下され!」、T43「團子兵衛どん 何んとなされた!」、T44「まま 聞いて下され」、T45「その大蛇めは 煙草のヤニが 大の 嫌ひなそうにござります」、T46「そのやうな大蛇めは ヤニ攻めにして 退治てしまへ」、T47「大蛇退治ぢや 大蛇退治ぢや」、T48「きせるを 持つて 集れ 集れ」、T49「これ大蛇殿 人を殺めた天罪ぢや 迷はず常佛して下され」、T50「おのれ團子兵衛!」、T51「よくも身共の嫌ふ 煙草のヤニを人間どもに 教へ居つたな その返報には…・」、T52「貴様の恐るる金を 受けとれ やい!」、T53「こりや 小判ぢや 小判ぢや」。
検閲番号等 内務省検閲番号:F4371(1931年4月22日)、[参考]内務省検閲番号:D2888(1929年3月12日)。
参考文献 ・「新映畫紹介 第二部 千代紙映畫 黄金の花」『映畫教育』1929年2月号・第12輯、30頁(写真あり)。
・「優良映畫賞牌交付」『文部省教育映畫時報 8』文部省社會教育局、1931年11月、46頁。
フィルム映写速度 16fps
フィルム履歴 文部省所蔵35mmナイトレートポジ→NFC所蔵35mmデュープネガ→35mmポジ作製
フィルム完全度 エンドタイトル欠
備考
参考リンク スチル写真<大藤信郎記念館 / 資料室>
賞状<大藤信郎記念館 / 資料室>