心の力

映画題名 心の力
映画題名ヨミ ココロノチカラ
英語題名 Will Power
製作年月日 1931年
作家名 大藤信郎
時間(分) 18
サウンド サイレント
カラーの種類 白黒
ストーリー 南の国の桜に包まれた美しいお城。お城には桜より美しい姫君がいる。城下一の臆病者の団子兵衛は、小犬や黒猫にもからかわれるほどの弱虫。しかし、「日本一力札」という御守を授かって、小犬や黒猫も家来に従え、武術試合で優勝。そして姫君の婿になる。ある夜、悪者が城に忍び込み、姫をさらう。悪者は舟で逃げ、団子兵衛が後を追う。途中、悪者は怪物に喰われるが、団子兵衛は海中に入る時に力札を落としたことに気づき、怪物から逃げる。家来の小犬が海辺に力札の落ちているのを見つけ、団子兵衛に届ける。しかし、黒猫が力札の中身が落ちたままであることに気づく。団子兵衛は力札があると思い、海中で格闘の末、見事、怪物を退治する。凱旋した団子兵衛は、落ちたままの力札を見つけ、勇気と臆病は心の持ち様だったことを知る。
作品解説 大藤信郎が考案した千代紙映画の主役を務める若者・団子兵衛シリーズの決定版。弱い男が気の持ち様で勇気と力を得て、美しい女性と結ばれるというテーマに加え、脇役のちんころ平平や『黒ニヤゴ』(1929年)で登場した黒猫も総出演。海中で怪物と戦うシーンは、戦後の代表作『くじら』(1952年)や『幽霊船』(1956年)の海の描写を想起させる。フィルムセンターの上映作品解説書『FC 46 日本のアニメーション映画<1924-1958>』(1978年、18頁)では、話のネタはハロルド・ロイド主演のアメリカ映画『豪勇ロイド』(1922年)から採られているとある。
製作会社 文部省、千代紙映画社
配給会社 文部省
配給年月日
クレジット 監督 作画:大藤信郎
クレジット スタッフ、キャスト等
字幕採録 1「文部省製作」、T2「心の力 千代紙映画」、T3「作画 大藤信郎」、T4「今は昔 南の國に 櫻の花に 包まれた 美しいお城が ござりました」、T5「櫻の花より いとも麗しき お城の姫君」、T6「このお城下の 町に住む 臆病者の 團子兵衛」、T7「ワンワン」、T8「うしうし」、T9「よわ虫 け虫」、T10「よわ虫 出て来い!」、T11「ガサー」、T12「ゴソー」、T13「ニャゴー」、T14「12345678910」、T15「勝つた…・」、T16「ワンワン」、T17「どうぞ 私めに勇気と力を お授け下さりませ」、T18「日本一力札」、T19「今日から拙者は 日本一の力持ぢや」、T20「キャー キャー」、T21「のされた!」、T22「日本一の力の お守りを持つ 拙者にてむかふか」、T23「降参 降参 ご家臣になされて 下さりませ」、T24「しからば 拙者について参れ」、T25「我君様には まづ ま……・・づ」、T26「お城の武術試合に 優勝した者には 姫の聟君として この國をお譲り 致します 櫻の城太守」、T27「お城の試合は いまや眞最中」、T28「日本一の武勇者 團子兵衛様の お通りでござる」、T29「私めは 團子兵衛と申す者で ござります」、T30「どうぞ 試合にご優勝なされて 下さりませ」、T31「フレ!フレ!」、T32「力札!」、T33「力札ぢやな これさへ あれば……・・」、T34「その夜……・・」、T35「姫君がさらはれた……・・」、T36「まつてくれ!」、T37「力札の忘れ物!」、T38「おのれ怪物 我こそは……・・」、T39「力札がないぞ!」、T40「力札!うけ取つたり」、T41「あつぱれあつぱれ めでたし めでたし」、T42「日本一力札」、T43「勇気も臆病も 己れの心の 持ちやうによって 生ずるものなり」、T44「その後の 団子兵衛は 力札がなくとも 身も心も強い 若者と なりました」、T45「終」。
検閲番号等
参考文献 ・「新作教育映畫紹介 心の力」『映畫教育』1931年9月号・第43輯、36頁(写真3頁)。
・「最近完成の映畫 千代紙映畫 心の力」『文部省教育映畫時報 8』文部省社會教育局、1931年11月、64頁。
フィルム映写速度 16fps  ※配信している動画は24fps
フィルム履歴 文部省所蔵35mmナイトレートオリジナルネガ→NFC所蔵35mmマスターポジ→35mmデュープネガ→35mmポジ作製
フィルム完全度 完全
備考
参考リンク スチル写真<大藤信郎記念館 / 資料室>
造形作品<大藤信郎記念館 / 資料室>