資料室

今より玩具の発達しておらぬ我々の子供時代には、女の子のもっとも愛玩したものは千代紙であった。これを折紙として種々の型の物を折ったり、または姉さま人形を作ったりしたものである。(…)この時代にその姉さま人形がもし実際に動いたならという夢を持っていたものであった。

大藤信郎「千代紙映畫と色彩映畫について」

(『映画評論』1934年7月号)

最初は切絵細工映画として発表したのであるが、千代紙を使用してある故、人々はこれを千代紙映画と名付けてしまったのである。で、自分もまた、千代紙映画製作者となってしまったような訳である。

大藤信郎「千代紙映畫」

(『小型映画』1930年9月号)