資料室

「千代紙映画社」の設立

大藤は、『煙り草物語』などいくつかの試作品を仕上げたあと、デビュー作『馬具田城の盗賊』(1926年)で注目を浴びた。1927年にはこの千代紙の技法をトレードマークとして「千代紙映画社」を創立、1929年には東京・渋谷区上原にスタジオを設けて自らのアニメーション作りの基盤とした。大藤の作品は、当初は配給会社「中央映画社」のはからいで一級の洋画とともに劇場公開されたが、のちには文部省の教育映画や軍の委託作品も手がけるようになった。